こんなことも機械油で改善…!?
1.より滑らかな滑り案内
工作機械でよく使用されるきさげ加工は主に動圧滑り案内に用いられます。このような滑り案内で高い加工精度を作り出すためには、交互に「滑り」と「固着」を繰り返すスティックスリップ現象を防がなくてはいけません。
この低摩擦性能を判断する目安として動摩擦係数と静止摩擦係数が挙げられます。動摩擦係数が0.10以下、静止摩擦係数が0.08以下が望ましいといわれています。
安定稼働には機械の奨励油の使用を強くお勧めします。
2. 省エネ化
油圧システムにおいて、ポンプによるエネルギーは配管の抵抗損失などにより失われ、実際に使えるエネルギーは少なくなっています。
配管抵抗損失を抑えるには、作動油の粘度を下げることが重要ですが、作動油は温度が低下すると粘度が高くなってしまう性質があります。
温度に対する粘度の変化率を粘度指数といい、変化率が小さいほど高い数値となります。
粘度指数の高い作動油ならば、寒い季節でもポンプの消費電力を抑えられます。
3. クーラントの腐敗防止
防腐剤の添加はクーラントの腐敗対策として一般的ですが、最近では抗菌性切削油剤が開発されています。
抗菌性切削油剤では微生物に強い性質や、pHを安定して維持できる性質があります。
また、用途上避けられない機械油の混入に対しても、これらの他油を分離しやすい性能を持つことで浄化装置の効果を最大限発揮できるようになっています。